Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

三十一

この柳の木蔭にいたのは、今晩、この見廻りの連中を斬ってみようとのためでないことは、隠れていながら、少しも殺気を感じなかったのでもわかるが、ひらりと鱗を見せただけで高札場の後ろに消えてしまいました。

そこからは、加賀の白山まで見とおしの焼野原――

犬の遠吠えも遠のいて、拍子木の音も白み渡って、あたり次々に鶏の声が啼き渡る。

三十一

その晩、相応院へ帰って来た机竜之助は、いつもあるべき人の気配が無いことを直覚してしまいました。

その蒲団の裾につまずき倒れようとして踏みこたえながら、夜具の中へ手を入れてみたのですけれども、中は冷たくありました。

その面に、近頃に見なかった、すさまじい色が颯と流れたが、どうする手だてもないと見え、そのまま刀を提げて、さっさと屏風のうちに隠れてしまって、その後の物音がありません。

夜は全く明け放たれたけれど、今日は早く起きて水を汲む人もなし、部屋を掃除する者もなし、膳を調えて薦めようとする者もないが、座敷の一方だけはあけ放されたままです。だがあけ放されたのは、その一方だけで、他の部分は、日脚が高くなっても戸足は寂然として動かないのです。