Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
五十
「はい、はい、良斎先生でございましたね。おかげさまで、ぐっすり三日の間というもの心置きなく休ませていただいて、ようやく只今、眼が醒めましたところでございます」
「食事はどうしました、いくらなんでも三日の間、飲まず食わず寝たんではお腹が空いたでしょう」
「ええええ、それはなんでございます、休ませていただく前にお蕎麦の粉を用意しておりましたから、これを枕許へ置いて食事に換えました」
「そうですか。で、起きる早々、こんなに長くお湯につかっていていいのですか」
「鐙小屋の神主様に、いろいろとお話を聞かせていただいておりましたから、時の経つのを忘れておりました」
「身体に障りさえしなければ、いくら長くいてもかまいませんがね」
その時、三人が四角の湯槽の三方を占めて、おのおの割拠の形に離れて湯につかり、形だけはちょっと三すくみのようになって、暫く無言でしたが、余人はともあれ、このお喋り坊主に長く沈黙が守っていられようはずがありません。
「わたくしが或る学者から承ったところによりますと、ヨーロッパにイタルという国がございまして、そのイタルという国にペスビューという山がございました。