Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

二十六

二十六

飛騨の高山も、今日はチラチラと雪が降り出しました。

相応院の一間に、お雪ちゃんは炬燵をこしらえ、金屏風を立て廻して、そこに所在を求めながら、考えるともなしに考えさせられています。

白骨へやった久助さんも、今日あたりはどうしても帰って来なければならないのに、今以て音沙汰がない、まだ二三日はどうにか過せるものの、この二三日が過ぎれば、それこそ本当の絶体絶命だということに思い廻らされなければなりません。

生活問題ということを、今日まで真剣にお雪ちゃんは考えさせられたことはないのです。こうしてお雪ちゃんは、炬燵に屈託しながら、ぼんやりと金屏風をながめていました。

この痩所帯に金屏風だけが光っている、これはお寺の什物の一つを貸してくれたもので、緑青の濃いので、青竹がすくすくと立っている間に寒椿が咲いている、年代も相当に古びがついて、絵も落着いた筆である。

この金屏風の金と、竹の緑青と、椿の赤いのを見ていると、屈託したお雪ちゃんの心も落着いてくる。

「お雪ちゃん」

そこへ、屏風の蔭から竜之助が刀を提げて歩いて来ました。

「まあ、先生」

「あんまり静かにしているから、心配になって見に来ました」