Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

四十一

四十一

道庵主従の不意の出立で、度胆を抜かれた者のなかには意外な人があります。

それは親方のお角さんでした。

お角さんともあろうものが、度胆を抜かれるなんぞは、ちと心細い話だが、またそこにはしかるべき理由もあります。

ああはいうものの、お角さんは内心、今度は大いに道庵先生に期待しておりました。その一つは、先生の口から飛行機の発明のことを聞くと、目から鼻へ抜けてしまったことがあります。この先生の言うことは、ヨタばかりと限ったものではない、その中から、いいところを抜き出せば、とんだ掘出し物があるということを心得ているから、最初この飛行機のことを聞かせられると、それを直ぐに自分の田へ引いてしまったのはこの女の天性で、それは、右の空を飛ぶ機械がものになったら、これで一番こんどは、自分の大山を打つチラシを撒いてもらおう、手間を頼んで一軒一軒引札を配らせるなんぞは時勢ではない。

空を飛ぶ機械でもって、名古屋であれ、京大阪であれ、江戸の本場であれ、天の上からこれこれと引札を配らせたら、それこそ満都をアッと言わせるに相違ない、いやいや、引札を配らせるだけではない、その飛ぶところを、木戸を取って見せたってけっこう商売になる! これは一番、目のつけどころだ、と考えてしまいました。