Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
六十五
いつか茂太郎の手に、一つの海鳥が抱かれていました。
「マドロスさん、こりゃ何だい、この鳥は何だか知っているかい、アルバトロスの雛じゃあるまいね」
「海猫!」
と高く叫んだのは、マドロスの声ではありませんでした。
六十五
駒井甚三郎は今、お松に於て、最もよき秘書を兼ねての助手を得ました。
その前後から、お松は船長附専務のようになって、絶えず駒井のために働き、また同時に自分を教育することになったのは、どちらにとっても幸いです。
この子は、お君女のように感傷に落ちるところがなく、兵部の娘のようにだらしのない空想家とも違い、聡明であって、そうして教養があって、理解が深くて、同情心にも富んでいるという得易からぬ徳を備えておりました。
海を走りながら、海についての知識だけではなく、駒井は折にふれての見聞と感想とを、或る時は断片的に、或る時はまた論述的に、お松を相手に説いて聞かせるのであります。
お松にとっては、それを聞くことが、何物よりも自分を教育することになると共に、駒井甚三郎その人の理想と人格とを理解するに最もよき機会でありました。
お松は駒井能登守の時代から、この人を尊敬すべき人格者とは信じていたけれども、その内容の価値に至っては審かにせず、ただ、品位あるが故に、地位高きがために、態度高尚なるが故に、人に対して親切