Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
四十四
四十四
そうして置いてお角さんは、お銀様の部屋へ御機嫌伺いに出ました。
明日の出立のことには、もはや、お銀様もかれこれ言わないようでしたから安心していると、
「お角さん、わたし、少しばかりお前さんに頼みがある」
改まった口上に、お角さんがドキリと来ました。頼みがあるなんぞと依頼式な物言いは極めて稀れなものですから、あとが怖いという気がしたのでしょう。
「まあお嬢様、そんなにお改まりあそばして、何の御用でもわたくしに仰せつけ下さるのに、否の応がございますものですか」
「あのね――明日出立の時、わたしは一緒に連れて行きたい人があるの」
「どなた様でいらっしゃいますか」
そんなことはむしろお安い御用の部類だとお角さんが思いました。何となれば、お銀様のかかりで人一人や二人増す分には何でもないことです。費用といっても結局は自分の懐ろが痛むわけではなし、これに反し人減しを仰せつかって、おとものうちの一人でも、あいつは気に入らないから目通りならぬとでも言われようものなら、それこそ事だが、召しかかえる分にはいっこう差支えないと安心したのです。
そこで、お思召しのお連れはどなた、と軽く応答をしてみたのですが、