Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、蘆葦茅草が枯れ枯れに叢をなしているところ、それが全く断れて石ころの堆いところ、その間を、茸狩か、潮干狩でもするような気分で、うかうかと屈伸しながら歩んで行くと、当然、到着すべき一つの地点に達して、そこで初めてお雪ちゃんが、あまりのことにまた驚愕狼狽しなければならぬことになりました。

その、ある地点……それは、お雪ちゃんが今まで全く忘れていたところのものでありました。前の晩に、この川原をあてどもなく歩いて、そうしてこの蘆葦茅草の中に、ふと白い長い箱のようなものを見出して不審がり、近づいて見ると、それが不吉にも、人間のぬけ殻を蔵うた棺であることを知り、とてもいやな思いをして、あわてて逃げて帰ったことのあるそのものが、現にまだここに置き放してあるではないか。

何という冥利を知らぬ人たちだろう、あの時は火事場騒ぎだから、ここまで持って来て置くのもやむを得ないが、今となって、まだ放りっぱなしにして置くとは。

お雪ちゃんが、それを、もう少し早く気がついたならば、単にこの白いものが、まだ動かされないで置かれてあることだけを知ったならば、一目見ただけでこの場へ来るのをいやがって、前の時のように、眼をふさいで逃げて行ってしまって、いやな感情は消えないまでも、後の問題は残さなかったのでしょうに――それは、接近する