Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

その寝棺の蓋をコジあけたところから、半面を現わしている、棺の主の面。

それをお雪ちゃんは、一目だけで逃げることを許されないで、後ろに強力のものがあって、その頭をグンと押え、そうして、

「もっと見ろ、もっとよく見ろ、間違えないように見届けろ」

と、ギュウギュウ押しつけられているような、見えない力を如何ともすることができません。

「あ、イヤなおばさん――」

もう泣くにも泣けない、叫ぶにも叫べない、棺の中からこちらを見ている人は、今も問題の、イヤなおばさんです。

四十三

不思議な圧力で、それを充分に見届けさせられて、お雪ちゃんは、その圧力が解けたと見た時分に、自分の周囲を襲いかかる、またも不思議な有形動物の形に驚かされました。

「叱! 叱!」

それは思いがけないことでしたけれども、有り得ない動物ではありません。

このあたりに彷徨する野良犬が五六頭、雨降りの時候でもあるまいに、まっしぐらにくつわを並べて、このところまで飛んで来て、息をフウフウ吹きながら、棺の廻りに走せつけ、飛びついたり、はねかかったり、臭気をかいだり、上へ乗ったり、下をくぐったりして、この寝棺を取巻くのでした。