Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「それでは帰るから、送って頂戴な」

「うむ」

「送って頂戴、ね、またあのお代官の助平が出て来ると、今度はわたし逃げられないから」

「よし」

「送って下さる?」

「家はいったいどこなのだ」

「少し遠いのよ」

「遠い?」

「ええ、少し遠いけれども、あなた、ほんとうに送って下さい」

「やむを得ない、行きがかり上」

「行きがかり上なんて言わないで、親身に送って頂戴な。でも、行先が少し遠いのよ」

「どこだか、それを言いなさい」

「信州の松本なのよ」

六十四

信州の松本と聞いて、兵馬が再びこの芸妓の面を見直さないわけにゆきません。

送れと言うから、行きがかり上、送ってやらねばなるまい、広くもあらぬ高山の土地、たとえ今は焼け出されて、立退先になっているにしてからが、知れたもの――帰りがけの駄賃――にもならないが、まあこうなっては退引ならないと観念したものの信州松本と聞いて呆れました。

「ね、信州の松本まで送って下さらない」

呆れながら兵馬が、

「松本の何というところだ」

「松本の浅間のお湯ってのがあるでしょう、あそこよ。だが待って下さい、うっかり行こうものなら、その松本もあぶないことよ、網を張ってあるところへ、わざわざひっかかりに行くようなものだから、もう少し考えさせて下さいな、そうそう、では、同じ信濃ですけれども、もっと山奥の、