Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「お連れさんでしょう――そんならそうとおっしゃればいいに」

甘ったれる調子で、暫くあしらい、後ろへ置かれた手をも、ちっとも辞退しないで、むしろわざと後ろへしなだれかかって、芝居半ばにテレきった自分の身体を、持扱ってもらいたい素振りをしたが、それをそのまま底へ引込むように受入れ、肩へかかった手が、胸へ廻り、首を抱きました。

「くすぐったい」

後ろの人は一切無言でしたが、女は、わざと身悶えをして、

「くすぐったいわよう」

だが、女はその擽ったさ加減を遁れようともしないのに、後ろの人は緩和しようともしない。

「まあ、痛いわね」

女は、またわざとらしい悶えぶりをする。

「だんだんに強くなったのね、物凄いわ」

これもいい心持で、するようにさせての女の言い分です。

「まあ、擽るんじゃなくて、締めるの」

その時に、後ろの者の面が、グッと女の頬先まで来ましたから、女はしなをして、首を横へねじ向けた途端――

「おや……」

女は後ろの人の面を見ようとして、覆面に隠されたそれを見得なかったのでしょう、怪しみの声が、急にうめきの声に変りました。

「あ、本当に、わたしを締めるのですか、く、く、苦し……」