Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

十八

十八

神尾主膳が書道に凝っているということは、前にも述べたことのある通りで、閑居して不善ばかりは為していないという、これが唯一の証拠かも知れません。

日和のいい時、気分の晴れた時には、日当りのいい書斎の、窓の明るい、机のきれいな上に、佐理、行成だの、弘法大師だの、或いはまた羲之、献之だのを師友としているところを見れば、彼も生れながらの悪人ではないと思わずにはいられません。

今日しも、珍しくその当日でありましたせいか、右の通りにして字を書いて、ひとり楽しむことに余念がありませんでした。

お絹という女は、今日はいないのです。

この頃中、あの女はほとんど家を外にして楽しんでいるのだから、それはもうなれっこになって、特に気がかりにもならないのでしょう。それに、世話の焼きだてをした日には際限ないものと、ほぼ見切りをつけているのでしょう。

それでも、時あってか、あの女のことに就いて何か甚だしく癇に障って、むらむらと不快の気分に襲われることもあるにはあるが、面を合わせてみると大抵まるめられてしまって、お絹に対してだけは、いまだ暴行に及んだというためしを聞かないのです。