Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
こうなってみると、主膳がなんだか手のうちのものを取られたような淋しさを感じないでもない。
低能ではあるけれども、あの色っぽい眼つきがどうも忘れられない。低能とはいうけれども、菽麦を弁じないというわけではなく、お感じが鈍いというにとどまり、まだ知恵が出きらないのかも知れない、もう少し発達すれば人並みになるのだろう、まるっきり馬鹿扱いにはできないのだ。或る点に於ては馬鹿どころではない、主膳に舌を捲かせるほどの離れ業を見せているのだが、それは天性、その部分が発達し過ぎているというわけではなく、そういう家庭や周囲の中で育ったから、色っぽい眼をつかったり、人の太腿を抓ったりすることは、あたりまえの挨拶と心得ているに過ぎない、下町の棟割の社会などには、こんなことはざらにある、すなわち、親爺や兄貴などから、そんな挨拶の仕様を仕込まれていることさえ多いのだ。
あいつは必ずしも低能じゃないだろう、そうしているうちに、普通の女として発達するのだろう。発達する、俗に色気が出るという時分になれば、かえってあんなことはしなくなるものだ。
だが、この二三日、姿を見せないのは、なんとなく淋しいな、ほんとうに物足りない。