Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

、こうも女の戸惑いをする晩だ! と、全く呆れてしまいました。

その時にまた外の庭で、俄かに荒らかな下駄の音がして、濁声が高く起ります。

「これさ、悪くとっては困るよ、そうやみくもに逃げ出さんでもいい、じっとしておれば為めにならぬようにはせぬものを、そうして一途に走り出しては、人前もあるぞ、こちの面をつぶすなよ」

その濁声は、充分の酒気を帯びているこの邸の主人、すなわち新お代官の胡見沢であることは申すまでもない。

そこで、兵馬にもいちいち合点がゆく。あんまり珍しいことではない、先刻もお蘭が言っていた、どこぞで女狩りをして来たその獲物だ、本来、爪にかけた上は退引はさせないことになっているのが、今晩は少し手違いで、相手に甚だしい拒絶を食って逃げられたのだ、それをまた新お代官が、酔っぱらった足で、大人気なくも追いかけて来たのだ。兵馬は、それが忽ち分ってみると、苦々しさがこみ上げて来たが、飛び込んで来た娘は一生懸命で、その戸口をしっかりと内から抑えたままです。つまり、この女の子は、咄嗟の間にはここの枢のかげんも知らないものだから、必死にここを抑え、この垣一重の内へは敵を入れまいと努力していることは明らかです。