Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
武者振りついて行ったというよりも、孟宗の蔭に物があって、緊張がゆるみ力が尽きた呼吸を見はからって、このお代官をスーッと吸い寄せてしまったと見るのが本当でしょう。
「だあ――」
お芝居も、だあ――まで来ればおしまいです。
夫婦立ちの孟宗竹の蔭から、白刃が突きあがるように飛び出して、飛びかかって来た新お代官の、胸から咽喉へなぞえに突き上ったかと見ると、それがうしろへ閃いて、返す刀に真黒い大玉が一つ、例の洲浜形にこしらえた小砂利の上へカッ飛んだものは、嘘も隠しもなく、そのお茶番を首尾よく舞い済ました新お代官の生首でありました。
そこで、すべての空気がすっかり流れ去ってしまい、夫婦竹の孟宗の後ろには覆面の物影が、竹と直立を争うほどすんなりと立ち尽しているのを見れば見られるばかりです。
お茶番にしても、あんまり身が入り過ぎている。こちらも少々、からかい方の薬が強過ぎたと、折れて出たのが内にいたお蘭の方です。
「御前、いいかげんにあそばせよ」
と言って、ここにはじめて内からカラリと戸をあけて、同時に、しどけない自分の半身をもこちらへ見せたものですが、もうお茶番はすっかり済みました。