Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
この少年は今日、足駄がけでやってきて、矢来の外に立ち、大多数がすべて面を伏せた時も、更にはにかむことなく、じっと眼を凝らして、人間の死んで行く落ち際の表情を、漏らすことなく見ていたことは間違いありません。
それは、やはり、見るべく見に来たのですから、単に自分の興味のために、或いは後学のために見に来て、滞りなくその目的を果したものですから、三十槍で検視の事済みになると、あとのことは頓着なく、さっさと歩み去って名古屋城下へ来てしまいました。
同じ日のそれよりさき、お角さんは、忌々しがりながら、蒲焼の宿から、お銀様の宿としていた本町の近江屋へ引移って来ました。
それは、明日の出立にまた何ぞ御意の変らぬうち、お銀様の膝元へ落着いてしまった方が安心といったせいもあるでしょう。また、出立についての万端、ここの方が都合がいいことにもよるのですが、磔刑を見物に出たお銀様がまだ帰らない時分に、もう引越しを済まして、出立の荷ごしらえ、あれよこれよと世話を焼いているところへ、
「姉御さん」
といって、つと入って来たのは、土器野帰りの岡崎藩の、美少年梶川与之助でありました。