Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「と言ったものですが、時と場合によればいやなものを見届ける度胸も大事ですね。怖がるわけじゃないが、虫が好かないだけなんです。いったい、今日磔刑の当人というのはどんな奴なんですか」
「おばさん、まだそれを知らないの、味鋺の子鉄のことじゃないか」
「いっこう存じません、旅先のことだもんですから」
「では、その味鋺の子鉄なるものの来歴を話してあげようか」
と言って美少年は、前述のような凶賊で味鋺の子鉄があることと、役向が、それを捕えるに苦心惨憺していたが、その女の子が一人あったのを尼にして、それを囮にして首尾よく捕ったことを説いて聞かせると、勢い今日のお仕置の場で、その子尼が親に水を飲ませ、親を磔刑柱の上へ縛りつけたことまで説き及ぼさねばなりません。それを事細かに話されて、お角さんが変な気になってしきりにうなされてしまいました。今の先は聞いてもいやだと言った磔刑の話を、知らず識らず、根掘り葉掘り聞くようになってみると、この美少年の知識は人伝ですから、お角さんの根掘り葉掘りに対して、つまり味鋺の子鉄なるものの生立ちから、性質の細かいことなんぞは知っていようはずがないから、勢い、どうしても、磔刑の場で見た子鉄の印象を深く語って聞かせるより仕方はありませんでした。