Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「何とおっしゃいます、お嬢様」

お角は見まいとした、また、見てはならないはずのお銀様の顔を、また見直さないわけにはゆきませんでした。

だがお銀様は冷々として、

「いけないの、お前だって、それをしたじゃないか。岡崎の外れから、あの方を自分の駕籠に乗せて、相乗りで来たことがあるじゃないの。お前がそれをして、わたしがそれをして悪いということがありますか」

「悪いと申し上げたのではございませんが、お嬢様――」

お角は、言句に詰りました。呆れたからです。

「わたしはなんだか、そうして歩きたくなりました、あの方と相乗りをして、これでもう安心というところまで、旅をしてみたい気になりました。お前さん、その心持で、あの方にお話をしてみて下さい」

「それはお話を申します分には、いっこうさしつかえございませんが、お嬢様――」

ここでお角さんは、何と要領を伝えていいか、また詰りましたけれども、急に思いついたように、

「お嬢様、あの方は只今、この名古屋にはいらっしゃいませんのです」

「ここにはいないの?」

「はい」

お角さんは急に元気づいてきました。よい口実が出来たものです――

「では、どこにいるの」