Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんとに弁信君は、どうした」

「あの子は眠っています」

「眠っている!」

「ええ、今日で三日目です」

「三日目、その間、飲まず食わず?」

「三日の間は、いかなることがあっても起してくれるなと言いました」

「だって、この際――」

「忘れていました」

「起して来ましょうか」

「そうさ、いくら起すなと頼まれたからといって、この非常の際じゃないか」

良斎はじめ一座が、自分たちながら忘れ方もここまで来ては、むしろ非人情に近いことを慚じねばならない。それを鐙小屋の神主は、

「いやいや、あの子は大分疲れているから、当人がそういう望みでしたら、やっぱり寝られるだけ寝かして、起さない方がようございましょう」

「でも、あんまり長い」

「三日ぐらい寝通すことはなんでもありませんよ、わたしなんぞは、六日一日寝通したことでございましたっけ」

「眠り死ぬということはないですかね」

「眼を醒ますつもりで寝ていれば、いくら眠っても、眠り死ぬことはございませんよ」

「でも……この際のことですから、弁信さんを起しましょう」

「起さない方がいいです、あんな人は、醒めていい時にはきっと醒めますから、起すまでのことはないです」