Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

あれから、夜の白むまでの半夜を、この狭いところに明かし合って、眼がさめた時の、お雪ちゃんの言葉が、

「先生、お寒くはございませんでした?」

と、こういうのです。

寒くないかと、見舞を言ったお雪ちゃんその人が、かえって寒さに顫えている面影を、竜之助はありありと見ました。

寝巻一着のほかに、なんにも無くて、自分を顧みるよりも先に、人の安否のために奔走したお雪ちゃんの最も好意ある狼狽を、竜之助といえども充分見て取っているのでしょう。

自分はあの際にも、できるだけの身ごしらえはして来ているから、寒くはない。寒いといっても知れたものだが、お雪ちゃんは、あれから間もなく夜明けではあったものの、その間、寝入ったようなふりをしていたが、まんじりともしなかったことを、竜之助は知っていなければならぬはず。

三十一

竜之助も、あの子にだけは、どう考えても悪意を持つ気にはなれないらしい。

お雪ちゃんという子を、竜之助は、どんなように想像しているか。女というものについては、お豊である限りのほかの女は、竜之助の肉眼での女というものは無いのです。

どのみち、女というものの運命も、他の生物の運命と同じことに殺してしまうか、殺されてしまうのが落ちだ。