Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「先生、喜んで下さい、久助さんがいましたよ、見つかりましたよ」
さも嬉しそうな呼び声、焼跡へ出かけて行ったお雪ちゃんが帰って来たのです。
その、たまらぬほど嬉しそうな声によって見ると、お雪ちゃんは、久助を焼跡で見つけたのみならず、ここへ伴って来たことの有様が、ありありと想像されます。
途中で、一度は、どうしたら久助さんをまいてしまえるか知ら――と、ひそかに苦心したお雪ちゃん自身が、今は死んだ子が生き返りでもしたように、喜んで帰って来た心もち、我儘といえばこの上もない我儘、自分勝手の行き止り、お雪ちゃん自身でもそれを考えてみればおかしくはないか。
船の外には、お雪ちゃんが先に立って、久助さんが何か荷物を一背負い背負い込んで立っているのに違いありません。
三十二
二人が火事場の模様を話して聞かせるところによると、延焼区域は一の町、二の町、三の町、目ぬきのところをすっかり。後ろは錦山、前は橋を焼いて向う岸までも嘗めたところがある、近頃での大火であったこと。御同様、焼け出されの者が多いこと。その焼け出されに不思議と着のみ着のままが多いこと。