Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
後は全く静かとなった。
さすがに甚太郎も吻とした。身を屈め手を延ばし二つの死骸へ触って見た。一人は咽喉を貫かれ、一人は胸板を突き通されている。
「獄卒を二匹退治たまでさ。何んの疚いこともねえ」
こう冷やかに呟くと死人の袖で棹を拭いた。棹の先から血が滴り、それが幽かな音を立てる。プンと鼻を刺す生臭い匂い。空気は濁り部屋は熱い。
「さてこれからどうしたものだ」甚太郎は急がしく思案した。
「どうしようにもしようがない。ここで待つより仕方あるまい。大挙して攻めて来るに相違ない。片端から突き殺してやろう」
彼はじっと聴耳を立て廊下の様子を窺った。
その時足音が聞こえて来た。しかし大勢の足音ではない。三、四人の足音である。
戸の向こう側で立ち止まった。何やら囁いているらしい。
「ふん、いよいよ来やがったな。何を愚図愚図しているんだ」
黐棹槍を引き側め、闇の中で眼を光らせ、戸の開くのを待ち構えた。
部屋の外は静かである。囁く声も絶えてしまった。しかし人のいる気配はする。と不意にパチパチという異様な物音が聞こえて来た。
「おや何んだろうあの音は?」
ちょっと甚太郎は度胆を抜かれ思案せざるを得なかった。