Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
光の中を徐行した。
光はどこまでも続いていた。すると、水路はカーヴをなして、左の方へ緩く曲った。やはり水勢は穏かであった。ほとんど瀬の音さえ聞こえない。漣一つ立たないらしい。ただ一筋の長い水脈が船の船尾から曳かれていた。夜光虫の光に照らされて、それがひときわ鮮かに光り、駛る白蛇さながらであった。
水路が次第に拡がった。
一つの小さい入江へ出た。それは一方の断崖が、水勢のために穿たれたもので、周囲半町もあるだろうか、真ん中に岩の小島があった。
船は入江の岸に添い、島をゆるやかに巡り出した。灰色の漣が島の根方を、音を立てずに洗っていた。入江の水は平らかで、油を流したように穏かであった。
もし庄三郎が気絶から覚めて、その島を仔細に眺めたなら、きっと驚いたに相違ない。
島を取り巻いている岩壁に、仏像が刻まれているからである。
鉄鉢を両手で捧げた者、猛虎を足に踏まえた者、香炉に向かって坐っている者、合掌し結跏し趺坐している者、そうして雲竜に駕している者……千態万状の羅漢の像が、昨日今日鑿で彫ったかのように、鮮かに岩へ彫り付けられていた。
それは夜光虫が動くからでもあろう、入江一杯に充たされている、蒼い光はしばらくも待たず、ちょうどまばたきでもするように、チラチラチラチラ動いていたが、その光の動きに連れて、千体仏