Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
M君は早稲田中学の教師で、かたわら雑誌に筆を執って居る人である。彼が千歳村に引越したあくる月、M君は雑誌に書く料に彼の新生活を見に来た。丁度樫苗を植えて居たので、ろく/\火の気の無い室に二時間も君を待たせた。君は慍る容子もなく徐に待って居た。温厚な人である。其れから其年の夏、月の好い一夜、浴衣の上に夏羽織など引かけて、ぶらりと尋ねて来た。M君は綱島梁川君の言として、先ず神を見なければ一切の事悉く無意義だ、神を見ずして筆を執るなぞ無用である、との説に関し、自身の懊悩を述べ、自分の様な鈍根の者は、一切を抛擲して先ず神を見る可く全力を傾注する勇気が無い、と嘆息して帰った。
其後久しく消息を聞かなかったが、今夜一年ぶりに突然君は来訪したのであった。
君の所要は、先月茅ヶ崎で物故した一文士に関する彼の感想を聞くにあった。彼は故人について取りとめもない話をした。故人と彼とは同じ新聞社の編輯局に可なり久しく居たのであったが、故人は才華発越、筆をとれば斬新警抜、話をすれば談論火花を散らすに引易え、彼はわれながらもどかしくてたまらぬ程の迂愚、編輯局の片隅に猫の如く小さくなって居たので、故人と心腹を披いて語る機会もなく、故人の方には多少の侮蔑あり、彼の方には多少の嫉妬羨望あり、身は近く心ははなれ/″\に住んだ。