Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
なンか云って居る。
六畳の大広間には、新郎新婦相並んで正面赤毛布の上に座って居る。結婚証書を三通新婦の兄者人に書いてもらって、新郎新婦をはじめ其尊長達、媒妁夫妻も署名した。これで結婚式は芽出度終った。小婢が茶を運んで来た。菓子が無いので、有り合せの梨を剥き、数が無いので小さく切って、小楊枝を添えて出した。
四時過ぎお開きとなった。
媒妁の役目相済んだつもりで納まって居ると、神田の料理屋で披露の宴をするとの事で、連れて来られた車にのせられ、十台の車は静かな村を犇めかして勢よく新宿に向った。新宿から電車でお茶の水に下り、某と云う料理店に案内された。
媒妁は滅多に公会祝儀の席なぞに出た事のない本当の野人である。酒がはじまった。手をついたり、お辞儀をしたり、小むつかしい献酬の礼が盛に行われる。酒を呑まぬ媒妁は、ぽかんとして皆の酒を飲むのを眺めて居る。料理が出たが、菜食主義の彼は肉食をせぬ。腹は無闇に減る。新郎の母者人が「ドウカお吸物を」との挨拶が無い前に、勝手に吸物椀の蓋をとって、鱚のムスビは残して松蕈とミツバばかり食った。
九時過ぎやっとお開きになった。