Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

陽子は茉莉を想い出した。

「姉ちゃん、ブラックガールのわりにきれいな」

「ブラックガール……?」

すぐに意味が判らなかったが、

「――ああ。ちがうのよ。間違えられたのよ」

「そうやろと思った」

チマ子は留置場の中を見廻して、

「――そこらにいる奴と大分ちがうと思った。あそこにいる女、あれ常習犯で病院へ入れられとったのに、毎晩こっそり逃げ出して、商売しとってん。病院にいると、親が養われへんそうや。まず親の働き口から見つけたらんと、あの女の病気いつまでたっても癒れへん。うちが警察やったら、あの女が入院してる間、毎日五十円ずつやる。ほな、あの女も安心して病気癒す気になるやろ。けど、巡査でも一日五十円月給取ってるやろかなア」

「そうね。――あんた頭いいじゃないの。政治家より頭いいわ」

「うちが頭よかったら、日本中みな頭ええわ。たれかテこないしたらええいうこと、判ってる。政治家かテ阿呆ばっかしと違う。けど、政治家が日本中の人間の一人一人のことを考えてたら、演説してまわるひまもないくらい、忙しいさかいに、だれのことも考えんと、自分のことばっかし考えてるンやろ。――うちは阿呆や、阿呆やなかったら、泥棒みたいなもンせえへん。