Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

「おばちゃん!」

と、呼んでみたが、返事はなかった。暫くして、また戸をたたいた。そして、セントルイスの前をはなれて、カラ子は雨に煙る木屋町の灯の方へ歩き出したが、急に踵をかえして、しかし、トボトボとその横丁をセントルイスの軒下へ戻って来た。

「おばちゃん!」

こんどはもっと大きく、ずり落ちるスカートの紐をひきあげながら声を掛け、戸はたたかず、ガタガタとひっぱりながら、無理にこじあけようとしていると、酒くさい息がふっと上から落ちて来て、

「誰……?」

声は女だったので、そんなにびくっとせず、カラ子は黙って見上げると、よろよろ寄り掛って来て、

「なアんだ、君、京吉君の恋人……? おほほ……」

けたたましい笑い声はいつもの夏子だったが、しかし、今夜のセントルイスのマダムはいつになくぐでんぐでんに酔っていた。リベラルクラブの帰りであろうか、チャラチャラとした軽薄な身振りは、しかし、悔恨の色にぐっしょり濡れて、傘も持たなかった。

「君、今頃どうしたの……? 忘れもの? 京吉君を忘れたの……?」

夏子はカラ子の肩につかまって、ハンドバッグから合鍵を出そうとする手を泳がせていた。