Japanische Klassiker mit Furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
十一
行くな!」
京吉はいきなり叫んだ。
十一
行くなと言われると、陽子はもう天邪鬼な女だった。理由はきかず、命令的な京吉の調子だけが、ぐっと自尊心に来て、
「あんた、あたしに命令する権利、耳かきですくう程もないわよ」
迷っていたのが、この一言できまってしまい、声も言葉づかいも、もうダンサーではなかった。
「じゃ勝手にしろ!」
と、京吉も唇を噛んだが、わざとひとり言めいて、
「――しかし、陽子も田村へ出入りするようになったのか」
「お料理屋へ行くのがいけないの……?」
校長が女教員を説教するような口きかないでよ……と、皮肉ると、京吉も口は達者で、
「うぶな女教員は、田村をただの料理屋と思ってるから可愛いいよ。――もっとも料理は出るがね。何でも出る。ボラれて足も出る。枕も二つ出る。寝巻も二つ出る。出るに出られん籠の鳥さ。ただの待合とは違うんだ」
「へえん……? よく知ってるわね」
はっとする所を、わざと露悪的に言った。
「そりゃ、知ってるさ。だって、おれ……」
田村で寝起きしているのだ。田村のママの居候だからね――と言おうとしたが、さすがにそれは言いだしかねて、
「――それより、田村の帰り、お通夜には来ない方がいいぜ。