Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

六

坂野とグッドモーニングの銀ちゃんだった。

六

「銀ちゃん、あたしゃアもはや一滴も駄目でさア」

もう飲みまわるのはよしにしよう――と、坂野は眉毛まで濡れ下ったびしょ濡れの顔を、グッドモーニングの銀ちゃんの肩へより掛らせながら、ひょこひょこ歩いていた。

「阿呆ぬかせ。今夜は夜通し飲むんだ」

銀ちゃんも情ない足取りだったが、

「――夜が明けて、グッドモーニングと挨拶かわし、盞かわしてグッドバイ……ってとこまで飲むんだ」

都々逸の調子を張り上げながら、執拗に坂野をはなさなかった。

祇園荘で二(リャン)チャン打つと、坂野が三千点ほど負けで、千点二百円だったから、六百円坂野が払おうとすると、銀ちゃんは受取らず、じゃその金で飲もうということになって、あちこち飲みまわって夜が更けたのだが、なお、なけなしの金をたたいてずるずると梯子酒を続けようというのは、飲み足らぬというよりは、むしろアパートへ帰るのがいやだったからだ。アパートへ帰れば、芳子がいるかも知れない。昼間セントルイスでは約束をすっぽかしたが、もう亭主の所を飛び出して来た芳子には自分の所しか行く所がない。すっぽかされてみれば一層アパートへ行って、根気よく自分の帰りを待っているだろう。