Japanische Klassiker mit Furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
四
芳子は、京吉が祇園荘へ行く自分をとめたのは、グッドモーニングの銀ちゃんに頼まれたからだと早合点して、京吉に駄々をこねて困らせてやることが、せめてもの腹いせだと、ダニのようについて離れなかったのだが、だんだん夜が更けて来ると、もう京吉と離れるのが寂しかった。雨も冷い。
京吉もまた、芳子を持て余しながら、しかし、もともと心の寂しい男だった。といって、芳子と宿屋に泊ることは、困るのだ。夜通し雨の中を歩こうか、今夜はどこへ泊ろうか――と、思案しながら歩いていると、ふと陽子のことが頭に泛んだ。
四
そうだ、陽子のアパートへ泊めて貰おうと、京吉の顔はにわかに生き生きした。
芳子は坂野の所へは帰りたがらず、グッドモーニングの銀ちゃんのアパートへも連れて行けないとすれば、もう田村へ連れて行くか、どこか宿屋に泊るより仕方がなかったが、貴子の居候の自分が、よしんば何の関係のない女にしろ、まさか連れて行くわけにもいかない。
といって、宿屋に泊れば、どんなことになるか、グッドモーニングの銀ちゃんの二の舞を演ずるようなことはないと言い切るには、今夜の京吉はあまりに人恋しかった。