Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

持ち上げることもむずかしかろうと思われるほどの大きさと、重さとあるのを両手にウンと持ちあげて、それを、いま蓋を仕直したところへ重しに、ドッカとのせてしまいました。

この間の働きは、お雪ちゃんとしては見られないほどの早業と、力量とを持っていましたが、それをするともう大丈夫と思ったのか、下へ投げ捨てた薪を、またも小腋にかいこむと共に、走り出しました。

後をも見ずに走りました。

四十四

そうして、お雪ちゃんは、屋形船のところまで帰って来たのですが、その時は、もう口が利けませんでした。

船べりにとりついて、はあはあと激しい息をついているのです。

もしこの時に別の事情がなかったならば、お雪ちゃんは一時、その場で昏倒してしまったかも知れません。また、もし船の中へ走り込む元気があったならば、いきなり、竜之助の膝にしがみついて、うらみつらみを並べたかも知れません。

そのいずれでもなかったのは、ちょうどこの際、船の向う側の一方で、久助さんの声を聞いたからです。しかもその久助さんが、何かその向うを通行の人と、かなり高声で会話をしていたのが、お雪ちゃんの耳に入ったものだから、この危急の際に、辛くも踏みとどまって、多少の遠慮の心を起したのが、つまりお雪ちゃんをして、気絶もさせない、逆上もさせなかった一つの事情で