Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
けれども、久助さんも久助さんだ、知らない、知らないとばかり言わず、もう少しテキパキした返事の仕様もありそうなものと、少し息が静まるにつれて、お雪ちゃんは久助さんの返答ぶりを歯痒いものに思いました。
こちらに聞いているお雪ちゃんが歯痒く思うくらいだから、尋ねている先方の横柄な旅人は、もっと業が煮えたらしく、
「何を聞いても知らぬ、知らぬという。役立たずめが……引込んでおれ。時に丸山氏、いずれこの宮川べりを伝うて行けば、出るところへ出るだろう、出たとこ勝負としようかなあ」
「それもよろしかろう」
こう言って、土手をさっさと歩み去ってしまう旅人は、たしか二人連れのようです。
お雪ちゃんは、見るともなしに、背伸びをして見たら、今、船の蔭を外れて、土手の上をあちらに向って歩み去る二人の旅人。
それには、たしかに見覚えがあります。
いのじヶ原で、わたしたちの一行にからみついて、あの、すさまじい光景を捲き起した浪人たち。ついこの間は、不意に白骨の温泉へやって来て、宿にわだかまり、あの前の方へ進んで行く大きい方の人が、わたしの眼を後ろから押えて、どうしても放してくれなかった気味の悪い人。