Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
毛唐というものは、つまり日本の国を取りに来るものだ。それだから、当代、二本差している憂国の志士はみな毛唐を斬りたがる。毛唐を一人でも斬れば斬るほど幅が利く、まして毛唐に向って、戦をしかければしかけるほど、その大名の威勢があがる。
相州の生麦というところで、薩摩の侍が毛唐を斬って、それから、薩州様と毛唐とが戦争をした。長州でも負けない気になって、下関で毛唐と戦をした。これらの大名連は、毛唐と戦をするだけの勇気があるが、将軍様にはそれが無い――と言って、多くの人たちが歯噛みをしている。
だから、毛唐は殺すべきものだ。毛唐を殺せば殺すほど、侍としては勇者であり、国としては名誉である。そこで、この浦辺の漁民たちまでが、その気になっているのか。それでも、あたしには、それがわからないのですね。
あたしがつきあっているマドロス君は、眼の色こそ変っている、言葉こそ違っているが、やっぱり日本人と同じことの人情を備えている。人情の長所も備えているし、短所も備えている。この人は、あんまりエライ人ではない、ドコの国にもある、あたりまえの労働者だ。酒を呑みたがるのも無理はないし、飲めばむやみに女が好きになるところなんぞも、毛唐だから特別という廉はない。