Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
ニヤニヤと笑っていたおばさんの顔の相が変る――と思うと、そこが青い沼で、その底知れない沼へ、今のおばさんがまっさかさまに沈んで行くのを見て、お雪ちゃんが、あっ! と言いました。
四十六
事実を人に語らないくらいですから、夢を語ろうはずがありません。お雪ちゃんは一切に目をつぶり、口をつぐんで、その夜を明かしましたが、目がさめてみると、なんとはなしに上野原の自分の家へ帰ったような気がしてなりません。
どのみち、お寺のことですから、構造に共通したもののあるのはあたりまえで、特にお雪ちゃんが、上野原の自分の家によく似ている住居と感じたのは、旅に出てから、宿屋にばかり落着いて、旅籠気分に慣れていたせいでしょう。こうして見るとお雪ちゃんはまた現前生活の人となりました。
久助さんが、専ら当座の衣食のために奔走してくれている。宿屋の主人が、旅中での災難を気の毒がって、いろいろ世話をしてくれるけれども、何を言うにも、当人の家さえ丸焼けになったのですから、細かいところの世話は焼けません。
お雪ちゃんに、味噌漉をさげさせまいとして、給与の品や、米を持って来て、とにかく、当座に事を欠かないようにする久助さんの骨折りを見ると、お雪ちゃんは、またまたこの人をまいてしまおうとしたたくらみの心を、自分ながら悔います。