Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
そうして、この寺で一夜が明けて、朝になって見ると、お雪ちゃんは、いよいよ自分の故郷の寺の住居が、庭ごとそっくりここへ移されたのではないか知らと疑ったほど、よく似ていると思いました。
それがためにお雪ちゃんは、懐かしい気持から、なんとなしに落着いた気分も出て、一時は、このお寺を永久の住居に借りてしまったら、とまで思いだしたくらいでした。
だが、朝の食事のチグハグを見ると、もうそんな気分ではいられないと思いました。いつまでも、火事見舞の給与品に甘んじているわけにはゆかないことを思うと、一刻も早く、この急を救う道を考えねばなりません。
それは今に始まったことではなく、初めから考え続けていたのですが、どうしても「遠くの親類よりは近くの他人」となって、その近くの他人のうち、まず、こんなことを相談してみようという相手は、白骨にいた宿の人たち、わけて、懇意にしていた北原さんに越したことはない。あの人に手紙を書いて、久助さんに持って行ってもらおう。白骨まで少し無理かも知れないが、あの人の足ならば一日で行ける――
お雪ちゃんは、チグハグな朝飯を済ますと、座敷の一隅の机のところに行って、北原賢次への手紙を書きはじめたものです。