Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

ああ、ああして石を置いて、せめて、犬や狼の凌辱から救って置きたい――イヤなおばさんの最後の肉体に対しての、自分の為し得た好意と親切の全力が、あれだけのものであった、あれより以上には、何をしてあげる力も無かったのだ。混乱の頭と、おのずから血走るような眼で、それを見詰めていたお雪ちゃんは、結局、あの地点はあそこに相違ない、そうして今、火をあんなに盛んに燃やしはじめたのは、わかりきっている、ほかへ運ぶことをしないで、あのままで薪を積んで、イヤなおばさんの死体を焼きはじめたのだ。

ごらん! 人が集まって来ている、薪をたくさんに運んで足している、イヤなおばさんはああして焼かれている。白骨で、長いこと水の中へ漬けられていたイヤなおばさんの死体は、今は思う存分の薪を加えられて、焼かれている。

せめて、今度こそは、思いきり焼かれてしまって下さい、おばさん。

水にも、火にも、業の尽きなかったおばさんの魂魄、今度こそは、あの鳥辺野の煙できれいな灰となってしまって下さい。

南無阿弥陀仏――とお雪ちゃんは合掌して、念仏を申しました。

四十八

宿が、特別の注意をもって周旋してくれたこの寺の書院住居は、かなり広い。