Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

いい男が、いいかげん気取ったしなをして、懐中から取り出した一物が何かと見れば、それはつけ焼きの握飯であって、それをその男が二つばかり、もろにかじってしまいました。

これががんりきの百蔵といって名代(?)のやくざです。

いつのまに、このやくざ野郎、こんなところまで来やがった?

先日来は、尾張名古屋の城のところで、金の鯱を横眼に睨みながらいやみたっぷりを聞かせていたが――名古屋からここにのしたと見れば、この野郎の足としては、さまでの難事ではないが、こんな野郎に足踏みされた土地には、ロクなことはないにきまってる。ロクなことがないといっても、南条や、五十嵐あたりとは、いたずらのスケールが違うから、飛騨の高山へ来ても、高山の天地を動かすようなことはしでかすまいけれど、高札をよごすくらいのことはやりかねぬ奴です。

とにかく、このごろ、飛騨の高山も、なんとなく浮世の動静が穏かでないけれど、こんなやくざ野郎の姿はきのうまでこの土地には見えなかった。それを見たのは今晩、このところに於て初のお目見得ですから、野郎きっと夜通し飛んで来てみたが、目的地へ来てみると、自分を出し抜いて、火事が目当てを焼いてしまっていたので、面食ってしまったに相違ない。