Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

大きな蛇が、すっかり、この女の首を捲ききってしまいました。もう、何の冗談も、持たせかけもありません、大蛇の火を吐くような息が、女の頬にかかるだけです。

宇津木兵馬が、屑屋を放免して、そうして、柳の木の下に立戻った時に、その女はそこにいませんでした。

柳の木の蔭にも、無論誰もおりません。

六十八

屑屋を突っ放した宇津木兵馬は、以前のところへ戻って見ると、そこに以前の女がおりません。

柳の木の蔭にも、高札場の石垣の後ろにも、見渡す限りの焼野原にも、いずれにも、人の影を見ることができませんから、一時は夢の中の夢ではないかと、自ら怪しみました。

ふむ、あの気紛れ者が、僅かの隙にずらかったのだな、千鳥足でフラフラとさまよい歩き、結局は自分の家か、例の清月とかなんとかへでも納まったのだろう――とりとめのない奴だ、と呆れながら兵馬は、柳の木の蔭を見ると、そこに何か落ちている。

よく見ると、それは、女の赤いゆもじとか蹴出しとかいうものが、ずるりと落ちている。

それを見ると兵馬は、実に度し難いやつは女だと思いました。

女であり、酔っぱらいであることによって、こちらが譲歩して、あれほど世話を焼かせているのに、ようやく醒めて、独り歩きができるようになれば、お礼はおろか、挨拶の一言もなくして、行きたいところへ