Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
を、よい形だと思いました。
七十一
武州沢井の机の家が、このごろ、急に物騒がしい空気に駆られたように見えます。
別に凶事があって、騒がしいというわけではないが、いつも、しんみりと落着いた一家の空気に、なんとなく一道の陽気が吹き入ったかのように見えるのです。
第一、ここの女主人ともいうべきお松が、急にはしゃいだというわけではないが、なんとなく動揺を感じて、心が浮き立ち、何かここにもある時期に達したもののように見えます。
それというのが、たしかに原因はあることなので、その原因というのは、さきごろ、房州方面へ行った七兵衛親爺が、立戻って来てから以来のことです。
その晩、炉の前で、数え年四歳になる郁太郎を、その巨大な膝に抱きあげている与八に向って、お松が、こんなことを言いました、
「そういうわけですから、与八さん、この土地も惜しいけれども、この子供さんたちのために、どうしても、駒井の殿様のお船の方へみんなして移るのが、おたがいの幸福じゃないかと思います。この土地のことは、この土地のことで、みんな居ついている人で、わたしたちは尽すべきだけのことは尽し、おたがいに人情ずくで、多少の名残りはあるけれども、立退いたところで、人様に御迷惑をかけるようなことにはなっていないから、ここは、いっそ、わたしたちは駒井