Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
いや、我ながらではない、ここのお倉婆あの趣向が上出来というものだろう。あの婆あ、煮ても焼いても食えない奴だが、それでも、人のふところを見て取扱う呼吸は、手に入ったものだ。
酒に酔わせるよりは、踊りに酔わせて、夢心地のうちに人を抱き込むところなんぞは、伊勢古市でやっているような仕組みだが、あんなにされると、アラが知れない。
主膳は、こんなことを考えて、ニタリニタリと合点しながら、廊下を帰って、自分の座敷へ戻ったのだが――戻ったつもりなのだが、それは三つばかり行き過ぎた隅の、間取りがよく似たほかの座敷であったことは、障子を開いて、足を踏み入れた途端に、それとさとったので狼狽しました。
何が頭が冴えたのだ、何が上出来なのだ、危ない! 危ない!
と気がついたのは、たしかに遅かったのです。
「だあれ?」
中から、なまめかしい女の声がしました。
「しまった!」
主膳は、我ながら、しくじったことの念入りなのに、呆れたのが、いよいよ一方の主をおさまらないものにしてしまいました。
「お倉婆さん?」
なまめかしい女の声が、追いかけるように続いたものだから、
「いや、なに!」