Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
悠揚として東海、東山の要路を兼ねた寝覚の里の、旅路の人の多い中を行く女一人を見て、通りすがる人がひとたびは振返らぬはありません。
それは、お銀様の立ち姿がすぐれて美しかったからでしょう。ことにその後ろ影は、すらりとして鷹揚で、なかなか気品があって、物に動じない落着きもあって、こんなところをともをも連れないでそぞろ歩きするところに、田の面か松原に鶴が一羽降りて来たような風情がないでもありません。
年増の女房たちも、若い娘たちも、ひとたびは振返ってお銀様の立ち姿を見ないものはありません。見て、そうして羨望の色を現わさないものはありません。
女の美しさを知るのはやっぱり女であるように、女が心から嫉みを感ずるのもやはり女であります。本来、女が男を嫉むということは、有り得べからざることなんですが、そういうことがあるのは、男と女との間にまた一個の女がはさまるからです。女は女をとおしてでなければ男を嫉むということはないのですけれども、女は女に対してのみは、全くの直接です。
お銀様の歩み行く後ろ姿を見て振返る女たちの視線には、みんな多少ともに、羨望と嫉妬とを含まないのはありません。