Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

淡いこと水の如き存在、薄いこと煙の如き存在が、今、鉄の如くお銀様の胸に落ちて来ようとしました。

なぜ自分は、あんなに無雑作にあの小法師を逃がしてしまったのか、あのお喋り坊主は真そこ、わたしというものに愛想を尽かして出て行ったものか、但しは、自分の仕打ちが誰にもする例によって、自然、出て行けがしになって、ついに居たたまれずに、あの可憐な小坊主をさえ追い立ててしまったのか。

なぜに弁信は出て行ってしまったのか、また、どうして自分がああも無雑作に弁信を出してしまったのか、その差別が今のお銀様にはわからなくなってしまいました。

思い去り、思い来ると、いよいよ彼の存在が不思議でたまりません。今日までかの小坊主の如く、自分に向って真正面に抗弁をしきった者は曾てないのです。親といえども一目を置いているこのわたしというものに向って、たとえ上長たりとも、一言半句、批判の余地と圧迫の行動を許したことはないのに、ひとりあのお喋り坊主のみは、わたしに対して無際限の減らず口を叩いた、あの小坊主の信じているところはいちいち、わたしに真反対でありながら、そうして事毎に論争を闘わしながら、それで、曾てあの小坊主に対して、一微塵ほどもわたしは敵意を抱いたということがないのは、今になって考えると、深重以上の不思議ではないか。