Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

かなりの長い文句を書いたのもある、歌や、発句のたぐいを書いたのもある、単に何月何日同行何人と、その名前だけを記しているのもある。

与八は浅からぬ興味をもって、その長短錯落した楽書を、次から次へと読んで行きましたが、ここは相当に教養のある人も通ると見え、与八の学問では読み抜き難い文字も多いけれども、あとを辿って見ると、

「われら二人、やみ難き悩みより峠を越えて江戸へ落ち行きます、江戸で一生懸命働いて、皆様に御恩返しをするつもりでございます。

月日

あやめ

大吉」

と書いたのは戯れとは思われない。この文面で見ると、女の筆で現わされている。してみれば、若い夫婦か、恋人同士が、家庭の折合いつかず、やみ難き悩みのうちに相携えて江戸へ走るために、国を去るの恨みをとどめた心持がわかると共に、この若女房と思われる人の才気のほども思われないではない。

菩薩未成道時 以菩提為煩悩

菩薩既成道時 以煩悩為菩提

と達筆で認めたのは与八の学問には余る。

蓮の花少し曲るも浮世哉

と、古句か近句か知らないのを認めっぱなしで年月もところも入れてない。

失恋ノ悩ミニ堪ヘ兼ネテ今月今日此ノ処ニ来レリ