Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
と、若い男の筆で書いてある。
来てみればさほどでもなし大菩薩
とぶっつけたのもある。
我慢大天狗
邪慢大天狗
打倒大天狗
と走らせたのもある。
借金スルノハツライモノ
鍋釜マデモミンナ取ラレテ
スツテンテン
と、途方もない自暴を飛ばしたのもある。そうかと見れば、また一方にやさしい女文字、
「三寸の筆に本来の数寄を尽して人に尊まれ、身にきらを飾り、上も無き職業かなと思ひし愚さよ――我も昔は思はざりしこのあさましき文学者、家に帰りし時は、餅も共に来りぬ、酒も来りぬ、醤油も一樽来りぬ、払ひは出来たり、和風家の内に吹くことさてもはかなき――」
何の意味とも知れないが、その筆つき優にやさしく、前の大吉、あやめの二人名の女文字になんとなく通うものがありとすればありと見られ、その筆のあとに血が滲んでいると見れば見られてたまらない。
転じて、西に向いた方を見ると、
「最モ美シイ芸術ホド、自分ノ最モ悪イコトヲ自覚シテヰル人間ノ作ニ成ルモノデアル」
と焼筆で走らせたものもある。その次には、
大魚上化為竜 上不得獣額流血水為舟
これも与八にはちんぷんかん。
更に一方の上壇、白檀張りの床の間とも見える板の表には、