Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
三十
最初に宇津木兵馬が触書を読んだ例の高札場のところ。
歯の抜けたような枝ぶりの柳の大樹。
がんりきの百という野郎が、芝居気たっぷりで隠形の印を結んだ木蔭。
あそこのところへ、また以前と同様な陣笠、打裂羽織、御用提灯の一行が、東と西とから出合頭にかち合って、まず煙草を喫みはじめました。
東から五人、西から五人――かなりの仕出しが、舞台の中程、柳の下へずらりと御用提灯を置き並べ、その附近の石と材木とへ一同ほどよく腰を卸して、申し合わせたように煙草をのみ出したことは、この間の晩と今晩とに限ったことではなく、いつもここが臨時非常見廻役の会所になっていて、ここで落合ってから、東の奉行は西へ、西の奉行は東へ、肩代りをして一巡した後にお役目が済んで、おのおのの塒へ帰る順序ですから、ここは会所であると共に、交番所であり、同時に東は東の動静を、西は西の持分の動静を、おのおの報告し合って、役目の引きつぎ所ともなる。
けれども、会合、交替、引きつぎ、すべてそう改まって角立ったことはなく、こうして三べん廻った煙草のうちの、出放題の世間話のうちに含まれて、そのすべての役目が果されてしまうわけです。