Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「奥向ばっかじゃないな、御領内の女房狩りでは、百姓の女房でもなんでも御寵愛なさるそうだげな、前中納言様が……」
時々、水戸家に関する有る事、ない事の浮評が、この辺、この連中にまで伝わっていると見え、消えかかった提灯の蝋燭が、またはずみよく燃えさかるのである。
「水戸の今の殿様は、結城から入った阿いねというのを御寵愛になるげなが、この女子は、昼はおすべらかしに袿という御殿風、夜になると潰し島田に赤い手絡、浴衣がけという粋な姿でお寝間入りをなさるそうな。それでそれ、こっちの親玉(新お代官)も、もとは水戸の出身じゃろう、その真似をなさるわけでもあるまいが、あのお蘭のあまっ子も、夜分になると、潰し島田に赤い手絡といった粋な風俗に姿をかえるげな」
「誰か、お寝間の隙見をしたものがあるのかね」
「いやもう、その辺のことは格別――水戸様ばかりじゃござんせんわい、わしらが聞いた大名地頭の好者には、まだまだ凄いのがたんとございますって。ここのお代官なんぞは、やわいうちでござんすべえ」
「何しても、泣く子と地頭には勝たれん、市場連中のために、その女子の心あたりを、これからなりとせいぜい頼みますぞ」