Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、なにがなんでも灘田圃へ連れて行って、この若者を生埋めにするつもりでもあるまい。そうかといって、半ば失神のこの若い者が、絶望のあまり灘田圃へ身を投げに迷い込むとも思われない。

その時分、灘田圃三千石の夜の色がいっそう濃くなって、国分寺伽藍の甍も、大名田、花里の村々もすっかり闇に包まれてしまい、二人の姿も、もう闇のうちには認めることができなくなりました。

「道を間違いました」

やっと、若いものの声が闇の中から聞えた、ところは辻ヶ森。

それからまたややしばし、郡上街道の真只中にその姿を見せたと思うまもなく、三本松の夜明しのあぶれ駕籠屋の小屋へ、外から声をかけた者がある。

「これこれ駕籠屋」

「はいはい」

「代官屋敷の者だがな、これから一時ばかりたってでよろしい、二梃の早駕籠を東川の辻に待たして置いてくれ」

「はい畏まりました、畏まりました」

外で呼びかけたものは内の者の面をも見ない、内で答えたものは、外の何者かを考えないが、代官屋敷御用の声に権威があって、仰せを畏んで、眠い眼をこすりつつ起き上ったあぶれ駕籠屋の若い者。

三十三

それから、いくばくもなく、代官屋敷の門前の松の木に引据えられて、縛りつけられたところの貸本屋の若者を見ました。