Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

返事はないけれども、中に人のいる証拠には、有明の行燈が細目に点いている。

が、その行燈の麓は屏風で囲まれているから、細目にあけて見ただけでは、中の様子はいっこう知れようはずがない。

そこで、今度は軽く廊下で足踏みを二つ三つしてみせて、

「今晩は……」

それで、ようやく気がついたのか、中では寝返りをするような蒲団の音。もうたまらず、

「お目ざめ……」

そこでお蘭さんがずっと座敷へ入りこんでしまって、同時に手を後ろへ廻してわれと入口の障子を閉してしまいました。

そうして、さやさやと衣裳を引きずりながら、立て廻した屏風を廻り込んで、

「御免下さいまし」

屏風をめぐって見ると、果してそこに宇津木兵馬がいました。

この間の晩、がんりきの百はここでとんでもない人違いをして大失策をやらかしたが、今晩のこの場は全く人違いではありません。まさに訪ねようと求めて来た人が、註文通りそこにおり、待つ方の人も、声によって予定通りの人柄がそこに現われたのですから、これからの行動も、註文通りにはまって行かねばならぬ筋合いになりました。

しかし、ここまで来たお蘭さんが、急にテレ切って立場を失った様子は、笑止千万というよりほかはありません。