Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
しかし、道庵先生が急に妙なことを言い出すのは、今朝にはじまったことではないが、今朝は少し生真面目ではあり、出立間際ではあったから、米友も特別に変な面をして耳を傾けていると、道庵が言うことには、
「実は、今までお前にも打明けなかったが、この道庵も花盛りの時、武士道のやみ難き意気地によって、朋輩二三名を右と左に斬って捨てて国許を立退いたものだ」
始まった! こんなことを本気で聞いていちゃたまらねえ――米友が舌を捲いているに頓着なく、道庵は生真面目で続けました。
それを聞いていると、道庵は若気の至り、右の次第で両三名の武士を右と左に斬って落し国許を立退いたが、その子弟が絶えず自身の首を覘っている。いつ途中で敵にめぐりあい、名乗りかけられないとも限らないのだから、その時卑怯な真似はしたくない。実は今朝も出立にあたって、なんとなく胸騒ぎがするのは、虫が知らすというものかも知れねえ。万一そういうことがあった時は、友様、お前にも一つ頼みがあるのだ。
その頼みというのは、軽井沢の時は、場合が場合だから、お前の助太刀で難を遁れたが、いつも道庵は、用心棒がなければ独り太刀が使えねえということに見られると名折れだから、今度、途中で万が一、いかなる狼藉者が現われようとも、お前は手出しをしてくれるな、道庵は道庵だけの能ある爪を持っ