Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうですか」

神主は、弁信の眠りを妨げようとする一座の者を固くいましめて置いて、

「さて、わしは、久しぶりで、お湯をよばれます」

と言って、そのままスタスタと湯殿の方へ行ってしまいました。

あとでは、炉辺の一座が、この時、はじめて弁信の噂を盛んに唇頭に上せてきました。何ということだ、今まで、小さくともあの人間一人の存在を忘れていたのは、何というおぞましいことだ、こうして家を同じうして、天災に遭ってみれば、死なばもろともという覚悟をきめて、かたまっていたはずなのに、そのなかの一人を忘れてしまうとは情けないことではないか、もし我々すべてが助かって、あの不具な小法師ひとりを見殺しにしたとあっては、世間への面目はもとより、我々の良心が許さないではないか。

神主様はああは言うけれども、忘れていたのは我々の落度だから、ともかく彼の熟睡を醒まして、この天変地異を告げて、我々と運命を共にすることに相助け相励ますの誠を尽さなければ、天理人情に反くというものじゃないか。

誰か行って起して来給え――

なるほどもう三日目だ、三日眠り通している、「よく寝れば寝るとて親は子を思ひ」