Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
駒井は噛んで含めるように説明はするのだが、お松には、その親切はわかっても、意味はよく呑込めないのです。
「それでも、なるべく陸地に近いところをお通りなさる方が安心ではございませんか、万一の時にも――」
「それは、やはり素人考えなのです、船は沖にいるほど安心で、陸へ近づくほどあぶないものです。素人は陸地が見えさえすればやれ安心と思い、少々は無理をしても早く港入りをしたいように焦るけれども、実はそれが最もあぶないのです。海路の案内を充分に心得た人なら、陸に近いところを通ってもいいが、我々のような駈出しの船長はなるべく陸に遠いところを通っているのが無事なのです。ですから、こうして毎日陸の見えないところばかりを通っていますが、それでもいま言った鹿島、磐城の海岸からさして遠くはないのです。それともう一つの理由はね、普通の和船ならばとにかく――この船は少し洋風の形が変っていますから、陸上で見咎められると困ることがあります。あちらの常陸は水戸家の領で、あの辺では、外国船と見ると一も二もなく打ちはらってしまえということになっている、水戸に限ったことはない、異形の船が通ると見れば、どこの藩でも注意していて、手に合わないと見れば、伝馬で駅次に報告するからあぶない。